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男性からのスタンプが気持ち悪かった話―小さなひとつが不快に変わる瞬間

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返事が来た。スタンプだけだった。

それ自体は普通のことのはずなのに、なぜかゾッとした。30個以上の動物スタンプが一気に届いた時、返信する気が消えた。

男性からのスタンプで気持ち悪いと感じた女性たちに話を聞いた。彼女たちが感じた不快感は、内容より文脈にあることが多かった。

目次

暗い路地から覗く絵のスタンプ―意図が全く読めなかった夜

新宿のカフェ。休日の夜、沙織は数ヶ月前の出来事を語った。28歳、会社員。

「職場で少し顔見知りになった男性から突然LINEが来て、挨拶の後にいきなり変なスタンプが送られてきたんです」

暗い路地から誰かが覗いているようなイラスト。それだけ。

「返事をどうしようか迷っている間に、また同じスタンプが連投されてきて。気持ち悪くてすぐにブロックしました」

沙織は夜、思い出して鳥肌が立った。

「あのスタンプの意味が全く分からなかったんです。脅しなのか、ふざけてるのか、単に変な人なのか。意図が読めない怖さって、普通の怖さと違って、後でじわじわ来るんですよ」

沙織はブロックした後も数日間、そのスタンプのことが頭から離れなかった。

「言葉だったら意味が分かるじゃないですか。でもスタンプって解釈を相手に委ねてくる。解釈できない時の気持ち悪さが、一番きつかった」

意図が読めないことへの恐怖

スタンプという視覚的な情報は、言葉より解釈の余地が多い。その余地が、時に不安を増幅させる。相手が何を伝えたいのか分からないまま、最悪の解釈に引き寄せられていく。

沙織の友人、彩花は25歳。彼女は電車で声をかけられた男性から連絡先を交換した後、毎日同じスタンプが来た。

「おはようスタンプが毎日欠かさず来て。1ヶ月以上同じスタンプが続いて、返事を変えても反応はまたスタンプで」

彩花は不気味さが積み重なっていった。

「日常に溶け込むような小さな行為が、続くと恐怖に変わるって実感したんです。1回なら何でもない。でも毎日続くと、監視されてる感じがしてきて」

30個以上の動物スタンプが届いた瞬間、会話が終わった

品川のカフェ。平日の昼休み、麻衣は合コンで知り合った男性との経験を語った。29歳、会社員。

「最初は普通の会話だったのに、徐々に返事がスタンプばかりになって。了解とかいいねみたいなスタンプを多用して、会話が全然続かなくて」

麻衣はある日、今何してると聞いた。

「30個以上の可愛い動物スタンプが一気に送られてきたんです。返信する気が失せて、そこから徐々に距離を置きました」

麻衣は続けた。

「相手の温度感が全く読めなかったんです。好意があるのか、適当なのか。スタンプを大量に送ることが親しみの表現のつもりなのかもしれないけど、受け取る側には伝わらなくて。むしろ逆効果でした」

大量スタンプという親しみの表現が裏目に出る理由

スタンプを大量に送ることは、親しさや明るさを表現する方法のつもりかもしれない。でも受け取る側には、言葉で答える意思がないこと、または関係の軽さとして伝わることがある。

麻衣の同僚、奈々は27歳。彼女はオンラインゲームから移行した男性の例を語った。

「ゲーム内のキャラを模したスタンプを多用して、今日も一緒にやろうねって送ってくるけど、実際の声や文章でのやり取りはほとんどなくて」

奈々は意図が露骨に感じた。

「距離を縮めようとしてるのは分かるんですよ。でもスタンプだけでそれをやろうとするから、軽さを感じてしまって。結局ゲームも辞めてしまった」

バイト先の先輩から深夜に届いた「寂しいよ」スタンプ

渋谷のバー。金曜の夜、有希は大学生の頃の体験を語った。27歳、フリーランス。

「バイト先の先輩から夜遅くに連絡が来てたんです。仕事の話から始まったのに、夜になると突然意味深なスタンプだけ送ってきて」

顔が赤くなって照れているキャラクター。目がハートになった動物。

「返事を無視すると、どうしたのって普通のメッセージが来る。また返事しないとスタンプ攻勢。そのループが重たくて、ブロックするまで数週間悩みました」

有希は結局ブロックした。

「言葉で言えないことをスタンプで伝えようとしてるのが分かるんです。でもその曖昧さが、余計に気持ち悪くて。はっきり言ってくれた方が、断れるから楽なのに」

言葉にしないことで生まれる曖昧な圧力

言葉では言えないことをスタンプで伝えようとする行為は、責任を回避しながら相手に解釈を委ねる行為でもある。その曖昧さが、受け取る側に断れない状況を作ることがある。

有希の友人、真由は30歳。彼女はマッチングアプリで会話の合間にセクシーなスタンプを送られた。

「最初は冗談かと思ったんですけど、回を重ねるごとにエスカレートしてきて」

真由はアプリを削除した。

「言葉だったら、それは嫌ですってはっきり言えるんですよ。でもスタンプって、言葉じゃないから、どう返せばいいか分からなくて。結局何も言えないまま、消えるしかなかった」

別れた後も毎日届く「一緒にいよう」スタンプ―機械的な怖さ

吉祥寺のカフェ。休日の夕方、恵子は元彼のことを語った。32歳、会社員。

「別れた後も連絡してきたんです。普通の元気?というメッセージの後に、一緒にいようみたいなスタンプ。毎日同じやつを」

恵子は最初、返事をしなかった。

「返信しなくても毎日来るんです。しかも同じテンプレートのスタンプを繰り返して。機械的で怖かった。感情があるのか、ないのか、どっちなのか分からなくて」

恵子は番号を変えた。

「スタンプって、同じものを量産できるじゃないですか。それが余計に怖くて。感情を込めて送ってるのか、ただ送り続けてるだけなのか、区別がつかなくて」

繰り返されるスタンプが作る恐怖の積み重ね

一度のスタンプは何でもない。でも毎日、同じスタンプが来ることで、圧迫感に変わっていく。ストーカー行為として認識されるパターンが、スタンプという形で現れることがある。

恵子の知人、美咲は41歳。彼女は習い事のクラスメート男性から朝晩スタンプが届くようになった。

「真面目な人だと思ってたのに、内容のない挨拶スタンプや励ましスタンプが朝晩届いて。ストーカーっぽく感じられて怖くなった」

美咲は教室も変えた。

スタンプ一つでここまで不快になるとは思わなかったです。スタンプって気軽なイメージがあるから、相手も軽い気持ちで送ってるのかもしれない。でも受け取る側は全然軽くないんですよ。

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