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年収800万は夢見すぎなのか到達した7人が語る手取りの現実と生活の違和感

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夢見すぎだよ、そんなの無理。そう笑われながら目指してきた年収800万円。実際に到達した瞬間、見えてきたのは想像と全く違う景色だった。

手取りは思ったより少なく、税金は想像以上に重い。都内なら家賃で消え、地方なら余裕が生まれる。独身なら自由だが、家族を持つと途端に窮屈になる。同じ年収でも、住む場所と暮らし方で天と地ほど違う。

到達した人間が口を揃えて言うのは、数字だけ見ても何も分からないということだ。そして、到達する前には絶対に見えない違和感が、確かにそこにある。

目次

手取り580万の衝撃―都内で家族を養う年収820万の現実

品川のオフィス街。昼休みのカフェで、慎一は給与明細を見せながら苦笑した。39歳、大手IT企業のシステムエンジニア。年収820万円に到達したのは36歳の時だ。

「年収って額面じゃないですか。でも手取りは580万くらいなんですよ。税金と社会保険で240万以上持っていかれる。最初、計算ミスかと思いました」

彼は紙ナプキンに数字を書き始めた。

「家賃が月23万。家族3人で都内に住むならこれでも抑えた方。子供の習い事と塾で月8万。車は国産の普通車だけど、駐車場代と維持費で月4万は飛ぶ。食費は自炊中心で月7万。光熱費、通信費、保険。貯金は月10万円目標にしてるけど、実際は7万円がやっと」

慎一は紙ナプキンを丸めて捨てた。

「勝ち組って言われるんですよ、周りから。でも豊かさを実感するのって、年1回の旅行の時くらい。実家に帰省すると、地方の物価で初めて余裕を感じる。東京で年収800万って、思ってたより全然普通なんです」

税金240万の重さが教えてくれた年収の嘘

額面と手取りの差。これを理解していない人間は、年収800万を夢物語だと思う。でも実際に到達してみると、3割近くが税金で消える現実に直面する。

慎一は20代の頃、年収400万だった。その時の手取りは320万程度。倍になれば生活も倍豊かになると思っていた。でも違った。

「累進課税って、稼げば稼ぐほど税率が上がるんです。年収400万の時は税率20%くらいだったのが、800万超えると30%近く。社会保険料も上限近くまで取られる。倍稼いでも、自由に使えるお金は1.5倍程度。そこから家賃も上がって、子供の教育費も増える」

彼は窓の外を見つめた。

「努力して到達したのに、贅沢できないんですよ。外食は週1回。服はユニクロ。車は10年乗り潰す前提。貯金も老後資金考えたら全然足りない。これが年収800万の現実です」

地方なら年200万貯まる―同じ年収でも場所が変える生活レベル

仙台の住宅街。休日の午後、庭でBBQの準備をしながら、雅彦は満足げに笑った。41歳、製造業の営業部長。年収850万円、地方支社勤務。

「東京の同期と同じ年収なんですけど、生活レベルが全然違うんですよ。向こうは家賃だけで20万以上飛ぶらしいけど、うちは社宅補助で月8万。4LDKの戸建て建てて、庭でこうやってBBQもできる」

彼は炭に火をつけながら続けた。

「妻と子供2人。貯金は毎年200万以上。車はSUV。年2回の家族旅行は、去年ハワイ行きました。周りから夢見すぎって言われるけど、地方ならこれが普通。むしろ30代でここまで来れてよかったって思ってます」

都内の年収1200万と地方の年収800万が同じ生活レベルという矛盾

同じ年収でも、住む場所で生活レベルは180度変わる。都内で年収800万は中の上。でも地方なら完全に勝ち組だ。

雅彦の友人は都内で年収1200万稼いでいる。でも生活レベルは雅彦と同じくらいか、むしろ下かもしれない。家賃の差、物価の差、教育費の差。すべてが積み重なって、手元に残る金額を決める。

「正直、東京に戻りたくないんです。出世のチャンスはあるけど、生活の質が下がる。子供を都内の私立に入れたら年間200万飛ぶ。こっちなら公立でも質が高い。老後資金も順調に貯まってる」

雅彦は肉を焼きながら、少し寂しそうに言った。

「でも妻には現実的すぎてつまらないって言われるんですよ。もっと刺激が欲しいって。東京の友達は毎月赤字らしいけど、文化的な生活してるんですよね。お金だけじゃ測れない何かがある」

独身年収780万の時間コスト―失った休日と買えなかった余裕

六本木のバー。金曜の深夜、優香はワインを傾けながら疲れた表情を浮かべた。30歳、外資系コンサル。年収780万円、独身で都心の1LDKに住んでいる。

「すごいねって言われるんですけど、朝6時起きで夜22時帰宅。クライアント対応で土日も半分潰れる。手取り55万くらいあるけど、服と美容とセミナーで月15万使っちゃう」

彼女はグラスを置いて、深く息を吐いた。

「貯金は月20万してるんです。でも結婚考えたら、この生活で家族持てるのかって不安で。同僚に年収800万目指してるって言ったら、夢見すぎじゃないって冗談で言ったんです。そしたら本気で落ち込んでて」

優香は窓の外を見つめた。

「努力次第で到達できるんですよ、年収800万。でも維持するコストが半端ない。体力、時間、ストレス。全部すり減らして、手に入れた数字。この数字に何の意味があるのか、最近分からなくなってきました」

年収は上がったが、自由な時間は年収400万の頃の半分以下

年収が上がると、責任も増える。クライアントの要求は高くなり、締め切りは厳しくなり、休日も仕事のことを考える。

優香は新卒の時、年収450万だった。その頃は定時で帰れて、週末は友達と遊べた。今は倍近く稼いでいるが、自由な時間は半分以下。使う暇もないまま、通帳の数字だけが増えていく。

「服も美容も、自己投資って言い訳してるけど、本当は仕事のストレス発散なんです。月15万使っても満たされない。休日はセミナー行って、また自分を追い込む。何のために稼いでるのか」

彼女は2杯目のワインを注文した。

「周りは結婚して子供産んで、年収600万で幸せそうなんですよ。私、何を選んだんだろうって。800万到達しても、次は1000万目指すんですよね。終わりがないんです」

公務員年収810万の安定と退屈―贅沢はないが不安もない生活

松本市の役所。定時で帰宅する光一は、自宅のリビングでコーヒーを飲みながら穏やかに話した。35歳、地方公務員の管理職。年収810万円。

「残業ほとんどないんです。家族4人でマイホームも完済間近。食費は自炊中心で月4万。子供の教育費は抑えてるけど、老後資金はしっかり貯まってる」

彼は少し照れくさそうに笑った。

「ネットで年収800万は夢見すぎってよく見るけど、うちはむしろ現実的すぎてつまらないって妻に言われるくらい。東京の同級生、同じ年収でも毎月赤字らしいです」

安定という名の檻―動けない自由、変えられない日常

公務員の年収800万は、民間と違って安定している。リストラもないし、倒産もない。でもその代わり、大きく稼ぐこともできない。

光一は若い頃、起業を夢見ていた。でも安定を選んだ。親の期待、妻の希望、子供の将来。すべてを考えて、公務員の道を選んだ。

「後悔はないんです。でも、これでいいのかって思う瞬間はある。同級生で起業した奴、失敗して借金抱えた奴もいるけど、成功して年収3000万超えた奴もいる。俺は安全な道を選んだ」

彼はコーヒーカップを置いた。

「妻は刺激が欲しいって言うんです。旅行も、外食も、すべて予算内。計画通り。サプライズもないし、冒険もない。年収800万あっても、使い方が保守的すぎるって」

光一は窓の外を見つめた。夕日が沈んでいく。

「でも俺、これ以外の生き方知らないんですよ。今さら変えられない。安定って、自由を奪うんです」

金融マン年収830万の不規則―数字の裏にある見えないコスト

東京駅近くの居酒屋。平日の夜、修平は3杯目のビールを飲みながら愚痴をこぼした。32歳、証券会社の顧客担当。年収830万円、ただしインセンティブ次第で上下する。

「ノルマきついんですよ。休みは不規則で、体調崩しても休めない。手取りで月50万超える月もあるけど、接待費とスーツ代で消える」

彼は疲れた表情でグラスを置いた。

「友達が婚活で年収800万以上希望って言われたらしくて、夢見すぎだろって笑ってたんです。でも実際、子供2人育てて都内でタワマン狙うなら年収1500万クラスじゃないと厳しい。800万は普通の勝ち組止まりで、贅沢は我慢なんですよ」

到達した瞬間に見えた、さらに上の世界

年収800万到達した人間が気づくのは、これが終着点じゃないということだ。上には1000万、1500万、2000万の世界がある。

修平は入社当時、年収500万だった。800万なんて夢だと思っていた。でも到達してみると、今度は1000万が目標になった。終わりがない。

「クライアントで年収5000万の人とか普通にいるんです。その人たちの生活見てると、800万なんて全然足りないって思っちゃう。タワマン、外車、別荘。俺が目指してたのってこのレベルだったのにって」

彼は4杯目を注文した。

「でも体がもたないんですよ。ストレスで胃潰瘍やったし、週末は寝込んでる。金はあるけど使う体力がない。何のために働いてるのか、分からなくなる時ある」

27歳で750万到達した努力の先―諦めなかった人間だけが見る景色

渋谷のコワーキングスペース。昼下がり、沙織はノートパソコンを開きながら、自分の選択を振り返った。28歳、スタートアップ勤務。年収750万円、来年800万超える見込み。

「新卒の時、年収400万だったんです。800万なんて夢だと思ってた。でも副業の勉強会通って、資格取って、転職2回繰り返して今ここ」

彼女は画面を見つめながら続けた。

「生活は質素なんですよ。都内のシェアハウスで家賃7万。服も最低限。外食ほとんどしない。でも将来の自由を買ってる気分。同期で夢見すぎって諦めた子が、今年収400万台で後悔してるの見て、頑張ってよかったって思いました」

到達する人間としない人間を分ける、たった一つの違い

年収800万に到達する人間としない人間の違いは、能力じゃない。諦めなかったかどうかだ。

沙織の同期は、最初から無理だと決めつけた。安定した企業に入って、年収500万で満足した。でも沙織は違った。リスクを取って転職し、スキルを磨き続けた。

「周りから夢見すぎって言われたんです。女で年収800万なんて、一部の天才だけだって。でも私、天才じゃないんですよ。ただ諦めなかっただけ」

彼女はコーヒーを飲み干した。

「でもね、到達しても満足しないんです。次は1000万、その次は起業。ゴールがないんですよね。幸せなのか不幸なのか、自分でも分からない」

フリーランス年収850万の工夫―会社員では見えなかった節税の世界

金沢の古民家カフェ。午前中、隆志はリモートワークの合間に、地方移住の決断を語った。37歳、元大手企業、今は業務委託中心。年収850万円。

「会社員時代より自由なんです。でも確定申告で税金が痛くて。青色申告、法人化、いろいろ工夫して手取り増やしました」

彼は窓の外の景色を眺めた。

「地方移住したら生活が一気に楽になったんですよ。家賃は東京の3分の1。家族で温泉旅行月1回。子供の習い事も全部OK。夢見すぎって言われる年収だけど、知識があれば到達できるし、維持もできる」

同じ年収でも、知識の有無で手取りが100万変わる現実

フリーランスと会社員の年収800万は、手取りが全く違う。経費計上、控除、法人化。知識があれば税金を半分にできる。

隆志は会社員時代、年収800万で手取り580万だった。でもフリーランスになって、同じ年収で手取り650万に増えた。やってることは同じなのに、手元に残る金額が70万も違う。

「会社員は搾取されてるんですよ、ある意味。税金の知識がないから、言われるがままに払ってる。でもフリーランスになって勉強したら、合法的に節税できる方法がいくらでもある」

彼はコーヒーをすすった。

「ただ、不安定なんですよね。来月の収入、保証されてない。病気になったら終わり。会社員の安定を捨てた代償は大きい」

25歳、まだ見ぬ年収800万を夢見る若者の不安

大阪の就活カフェ。午後、翔太は企業研究の資料を広げながら、不安そうな表情を浮かべた。26歳、今年卒業予定。目標は年収800万。

「周りから現実見ろ、夢見すぎって言われるんです。先輩は30歳で年収700万台が普通だって。でも努力次第でいけると思って勉強してます」

彼は資料をめくった。

「800万到達したら、東京で一人暮らしの余裕生活したいんです。好きな服買って、好きなもの食べて。でも今日話聞いた人たち、全然余裕なさそうで」

翔太は資料を閉じた。

「やっぱり夢見すぎなんですかね。でも諦めたら、そこで終わりじゃないですか。到達してから考えます」


慎一は今日も満員電車に揺られながら、年収800万の意味を考えている。優香は深夜のオフィスで、次の目標を設定している。雅彦は庭でBBQをしながら、これでいいのかと自問している。

年収800万は夢見すぎなのか。到達した人間は口を揃えて言う。数字だけ見ても何も分からない。でも到達しないと、見えない景色がある。その景色が幸せかどうかは、本人にも分からない。

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この記事を書いた人

ノンフィクション・リアルドキュメント編集部
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