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婚活疲れを乗り越えた先にあったもの変わった自分は本当に幸せだったのか

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もう疲れた。何人と会えばいいのか。何回断られればいいのか。プロフィール写真を変えて、自己紹介文を書き直して、会話術を学んで。それでも続く既読スルーと、初デート後の音信不通。

休めばいい。一度立ち止まればいい。そう言われて休んだ。でも休んでる間も、頭の中は婚活でいっぱいだった。休んだところで、何も変わらない。結局、また同じ場所に戻ってくる。

婚活疲れを乗り越えた人たちに話を聞いた。彼らは確かに結婚した。でもその表情は、想像していたほど幸せそうじゃなかった。乗り越えた先に、本当に幸せがあったのか。その答えは、複雑だった。

目次

選ばれる側という現実に気づいた日―変えた自分は本当に自分なのか

品川のカフェ。休日の午後、慎也は3年間の婚活を振り返っていた。36歳、会社員。アプリ婚活を続け、毎週のように女性と会ってきた。

「最初は楽しかったんです。選択肢が多くて、可能性が広がってる気がして」

慎也は画面をスクロールする日々だった。いいねを送り、マッチして、メッセージを交換する。でも会話が続かない。デートまで辿り着いても、2回目はない。

「半年で20人くらい会いました。でも誰からも選ばれない。いい人だけどって、何回言われたか」

慎也は疲れ果てた。自己嫌悪に陥った。何がダメなのか。どこを変えればいいのか。

「プロフィール写真、プロに撮り直したんです。5万円かけて。服装も全部変えた。会話術の本も10冊読んで、デートの時に実践しました」

慎也は変わった。いや、変わろうとした。自分をよく見せようと、必死に演技した。

「3ヶ月後、彼女ができました。婚活疲れを乗り越えたって、周りに言いました」

でも慎也は今、その彼女と別れている。

「付き合って半年、彼女に言われたんです。あなた、最初と違うよねって。デートの時はすごく聞き上手だったのに、最近は自分の話ばっかりって」

慎也は気づいた。プロに撮ってもらった写真も、学んだ会話術も、全部演技だったと。本当の自分じゃなかった。

「疲れを乗り越えるために自分を変えたけど、変えた自分で選ばれても意味なかったんです。結局、また元の自分に戻る。で、相手は失望する」

慎也は今、婚活を休んでいる。でもまた始めなきゃいけない。36歳、時間がない。休んでる余裕はない。

「乗り越えたと思ったけど、何も乗り越えてなかった。ただ、疲れを先送りにしただけでした」

疲れを乗り越えるという幻想―本質は何も変わっていない

婚活疲れを乗り越えるために、自分を変える。でもその変化は、表面的なものに過ぎない。写真を変えて、話し方を変えて、服装を変えても、中身は同じだ。

慎也の友人、拓也は38歳。彼も婚活疲れを乗り越えたと思っていた。

「俺も自分を変えたんです。ジム通って、髪型変えて、服も全部買い替えた。外見が変わったら、マッチング率上がりました」

拓也は彼女ができた。でも3ヶ月で別れた。

「彼女、俺の本性見抜いたんです。外見変えても、中身は変わってないって。デートの時だけカッコつけてるけど、家ではダラダラしてるって」

拓也は疲れた。本当の自分でいたら選ばれない。でも演技し続けるのも疲れる。

「どうすればいいんですかね。本当の自分で婚活したら、誰も選んでくれない。演技したら、選ばれても続かない。詰んでるんですよ」

拓也は今も婚活を続けている。でも疲れは、乗り越えていない。ただ慣れただけだ。

「疲れに慣れるって、一番怖いことかもしれないです」

執着を手放したら成功した嘘―手放せたのは本当に執着だったのか

渋谷のカフェ。平日の夜、奈々は2年前の出会いを複雑な表情で語った。33歳、看護師。婚活を3年続け、疲れ果てた時期があった。

「周りから高望みしすぎって言われて。でも妥協したくなかったんです。年収、学歴、容姿、全部条件に合う人を探してました」

奈々はデートで相手に合わせすぎた。本当の気持ちが分からなくなった。SNSで女性の賞味期限という言葉を見て、焦った。

「32歳の時、もう無理だって思ったんです。婚活やめて、自分の人生楽しもうって」

奈々は婚活アプリを削除した。趣味のヨガに通い、友人と旅行し、仕事に集中した。心に余裕が生まれた。

「半年後、職場の紹介で今の夫と出会いました。執着手放したら、自然にご縁が来たって、みんなに言いました」

でも奈々は今、その言葉を後悔している。

「執着、手放してなかったんです。表面上は楽しんでたけど、頭の中はずっと結婚のこと考えてた。ヨガ行っても、この教室に独身男性いないかなって探してたし、友人の旅行も、出会いないかなって期待してた」

奈々が出会った夫は、条件的には妥協だった。年収は希望より200万低い。学歴も、容姿も、理想より下。

「でも疲れてたんです。もうこれでいいやって。夫のこと、本当に好きだったのか、今でも分からない」

奈々は結婚して1年。幸せかと聞かれると、答えに詰まる。

「執着を手放したんじゃなくて、諦めただけだったのかもしれない。婚活疲れを乗り越えたんじゃなくて、疲れに負けて妥協しただけ」

執着を手放すという言い訳で正当化された妥協

執着を手放す。それは美しい言葉だ。でも実際は、妥協を正当化するための言い訳になっていないか。

奈々の友人、麻衣は35歳。彼女も執着を手放したと言って結婚した。

「婚活疲れて、もういいやって思ったんです。次に会った人と結婚しようって。で、今の夫と出会いました」

麻衣の夫は、優しい。でも刺激がない。会話も盛り上がらない。デートも、いつも同じ場所。

「結婚して2年、毎日が退屈なんです。でも文句言えない。だって私、執着手放して自然なご縁だって言っちゃったから」

麻衣は夫との関係に満足していない。でもそれを認めると、自分の選択を否定することになる。

「執着を手放したんじゃなくて、理想を諦めただけだったって、今なら分かります。でももう遅い」

麻衣は今、子供を作るか悩んでいる。

「この夫との子供、欲しいのか分からない。でも年齢的に時間がない。婚活疲れを乗り越えた代償が、これなのかなって」

我慢をやめたら楽になった錯覚―我慢しない自分は誰からも選ばれない

新宿の居酒屋。金曜の夜、恵理は婚活カウンセラーのアドバイスを思い出していた。41歳、公務員。お見合いを繰り返し、仮交際を10回以上経験した。

「お見合い後、LINEでやり取りして、初デートで何か違うって感じるんです。でも条件が合うから、我慢して続けてました」

恵理は半年で10人以上と交際した。でもどれも続かない。土曜の朝、体が動かなくなった。

「カウンセラーに言われたんです。合わない縁は早く切れって。違和感を無視するなって」

恵理はルールを作った。初デート後、素直に気持ちを整理する。好きになる努力はしない。好きになれる人を探す。

「無駄なデートが減りました。精神的な負担も軽くなった。半年後、穏やかな男性と真剣交際になって、結婚しました」

恵理は婚活疲れを乗り越えたと思った。我慢をやめて、自分に正直になった結果だと。

でも結婚して1年、恵理は気づいた。

「夫、穏やかすぎるんです。何も意見言わない。私の言うこと全部受け入れる。最初は楽だったけど、今は物足りない」

恵理は夫に刺激を求めてしまう。でも夫は変わらない。穏やかなまま。

「我慢しない自分で選んだ人だから、文句言えないんです。でも毎日がつまらない。我慢しないって、こういうことだったのかって」

我慢しないという選択が招いた別の我慢

我慢をやめて自分に正直になる。それは正しい選択に見える。でも我慢しない自分は、相手にとって魅力的なのか。

恵理の同僚、由美は39歳。彼女も我慢をやめた。

「初デートで違和感あったら、すぐ切るようにしたんです。LINEの返信が遅いだけで、もういいやって」

由美は効率的に婚活した。無駄な時間を使わない。でも1年経っても、誰とも続かなかった。

「我慢しないって、相手にも我慢させないってことなんですよ。私が我慢しないから、相手も私の嫌なところ我慢しない。で、すぐ別れる」

由美は気づいた。関係を続けるには、ある程度の我慢が必要だと。

「我慢をやめたら楽になるって、嘘だったんです。我慢しない自分は、誰からも選ばれない。結局また我慢し始めました」

由美は今、婚活を続けている。でも疲れは、乗り越えていない。

「疲れを乗り越える秘訣なんてないんですよ。ただ疲れながら続けるしかない」

休む勇気が生んだ空白の1年―戻ってきた時、市場価値は下がっていた

池袋のカフェ。休日の午後、沙織は1年間の休止期間を後悔していた。34歳、マーケター。婚活を2年続け、心身ともに限界を迎えた。

「睡眠不足で、朝起きると頭が重い。背中も張る。でも婚活やめる勇気がなかったんです」

沙織はある日、全ての予定をキャンセルした。散歩して、美味しいものを食べて、ゆっくり休んだ。

「週に1日は婚活オフ日を作りました。運動したり、趣味に没頭したり。ネガティブな婚活情報から離れて、ポジティブな環境を意識的に作りました」

沙織は休むことも戦略だと思った。体を休めて、心を回復させる。そうすれば、また前向きに婚活できる。

「1年休みました。33歳から34歳まで」

でも戻ってきた時、状況は変わっていた。

「マッチング率、明らかに下がってたんです。33歳の時は1週間で10マッチくらいあったのに、34歳になったら3マッチくらい。年齢フィルターで弾かれてる」

沙織は焦った。1年間、何してたんだろう。休んでる間に、市場価値が下がった。

「休む勇気が大事って言うけど、それは若い人だけです。30代後半で1年休むって、致命的なんですよ」

沙織は今、必死に婚活している。でももう35歳。選択肢は、1年前より確実に減っている。

「婚活疲れを乗り越えようとして休んだけど、乗り越えた先にあったのは、もっと厳しい現実でした」

休息という名の時間の浪費

休むことは大切だ。でも婚活において、休むことは時間を失うことでもある。特に30代後半の女性にとって、1年は重い。

沙織の友人、真由は36歳。彼女も1年休んだ。

「疲れて、もう無理だって思って。1年間、婚活から完全に離れました」

真由は旅行したり、趣味を楽しんだり、充実した1年を過ごした。でも戻ってきた時、現実を突きつけられた。

「37歳になってました。男性から全然いいね来ない。来ても、50代とか60代ばかり。同年代の男性は、もっと若い女性にいいね送ってる」

真由は後悔した。

「休まずに続けてればよかったって。疲れてても、とにかく動き続けてれば、誰かと出会えたかもしれない。でももう遅い」

真由は今、婚活を諦めかけている。

「休む勇気って、綺麗な言葉だけど、結局は逃げただけだったんです」

努力の方向性を変えたら選ばれた矛盾―選ばれた理由は本当に自分なのか

吉祥寺の定食屋。平日の夜、大輝は婚活の努力について語った。37歳、営業職。婚活を3年続け、必死に尽くしてきた。

「デートでは相手の荷物持って、好きな店聞いて、全部相手のペースに合わせてました。これだけ頑張ってるのに、重い男って言われて」

大輝は疲れた。努力が報われない。むしろ、努力するほど嫌われる。

「友達に言われたんです。努力の方向性が違うって。量じゃなくて質だって」

大輝は方向性を変えた。相手に尽くすのではなく、自分の気持ちを大切にする。相手のペースに合わせすぎず、余裕を持つ。

「3ヶ月で彼女ができました。また会いたいって言われて、真剣交際になりました」

大輝は婚活疲れを乗り越えたと思った。でも結婚して半年、違和感がある。

「妻、俺のこと好きなんですかね。結婚したのって、俺が余裕ある男だったからで、本当の俺を好きになったわけじゃない気がして」

大輝は今、本当の自分を出せずにいる。余裕がある男を演じ続けている。

「努力の方向性変えたけど、結局演技してるのは同じなんですよ。疲れは、何も変わってない」

正しい努力という幻想―選ばれるための演技に終わりはない

努力の方向性を変える。それは賢い選択に見える。でもそれは、別の演技をしているだけではないのか。

大輝の後輩、健人は32歳。彼も努力の方向性を変えた。

「尽くしすぎるのやめて、自分らしくいようって決めたんです。でも自分らしくって、何ですかね」

健人は自分らしさが分からなくなった。婚活のために演技し続けて、本当の自分が見えない。

「自分らしくいようとすると、選ばれない。演技すると、疲れる。どっちにしても、詰んでるんです」

健人は婚活を続けている。でも正解が分からない。

「婚活疲れを乗り越える秘訣なんて、存在しないんじゃないですかね」

婚活疲れを乗り越えた人たちの5年後―結婚は本当にゴールだったのか

恵比寿のバー。金曜の深夜、カウンターに座る男女の話題は、婚活疲れについて集中していた。

「婚活疲れを乗り越えて結婚したけど、今度は結婚生活に疲れてるんです」

そう語るのは、39歳の女性だ。

「婚活の時は、結婚がゴールだと思ってた。でも結婚したら、また別の疲れが始まった。夫の親との関係、子供の教育、お金の問題。婚活の疲れの方が、まだマシだったかもしれない」

彼女は深く息を吐いた。

「婚活疲れを乗り越えるって、結局次の疲れに進むだけなんですよ。疲れは、一生続く」

隣に座る男性も頷いた。

「俺も婚活疲れを乗り越えて結婚したけど、幸せかって聞かれると微妙です。妻のこと、本当に好きだったのか分からない。疲れてて、判断力鈍ってただけかもしれない」

彼はグラスを傾けた。

乗り越えた先に幸せがあるって、誰が言ったんですかね。疲れを乗り越えても、別の疲れが待ってるだけでした。

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この記事を書いた人

ノンフィクション・リアルドキュメント編集部
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