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体の関係を持った後に連絡しない女性心理に何が起きているのか

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体の関係を持った翌朝、女性から連絡が来なかった。

それだけで、男性の頭の中は一気にパニック。嫌われたのか。後悔させてしまったのか。それとも、最初から自分はそういう扱いだったのか。既読がつかないままの画面を、何度も確認する。送ったメッセージの文面を読み返して、何がまずかったか考え始める。

でも、女性側の話を聞いてみるとその沈黙の理由は、男性が想像するものとまるで違うことが多い。

この記事は、体の関係を持った後に連絡しなかった経験を持つ女性3人と、その沈黙の側にいた男性2人への取材をもとにしている。誰が悪いという話ではなく、あの沈黙の内側に何があったのかを、できるだけ正確に引き出したかった。


目次

取材は、平日昼の池袋から始まった

西口から少し歩いた雑居ビルの3階。エレベーターのない古いビルで、階段を上るとコーヒーの香りが漂ってくる。昼間から薄暗い、窓の小さな喫茶店。

最初に話を聞いた宮下さん(仮名・28歳・アパレル勤務)は、先に来てアイスコーヒーを半分飲んでいた。化粧は薄く、髪を後ろで雑に束ねていた。仕事の昼休みを使ってくれた。

「体の関係を持った後に連絡しない女の話、ですよね」

確認してから、ストローを一度だけ動かした。

「私、それをやった側なんですよ。しかも、好きだった人に」

少しだけ目を伏せた。

「好きだったのに、連絡しなかった。今でも、なんであのとき連絡しなかったんだろうって思う。でも当時は、できなかった。本当に、できなかった」


体の関係を持った後に連絡しない女性側に何が起きているのか

宮下さんが体の関係を持ったのは、3ヶ月間片思いしていた職場の先輩とだった。27歳の秋、仕事終わりに飲んで、そのまま先輩の家に行った。

「好きだったから、嬉しかった。でも、朝になった瞬間に何かが崩れた感じがして」

崩れた、という言葉を選んでから、少し考えて続けた。

「彼が寝てる横で、私はずっと起きてた。天井を見ながら、これは何なんだろうって考えてた。付き合うの?付き合わないの?彼はどう思ってるの?私は彼に何を期待していいの?全部わからなくて。わからないまま朝が来て、彼が起きて、普通に『コーヒー飲む?』って聞いてきてその普通さが、逆にきつくて」

「家を出てから、連絡しようとした。何度もLINEを開いた。でも、何を書けばいいかわからなかった。『昨日はありがとう』は違う気がする。『楽しかった』も違う気がする。正直に『どう思ってるか教えてほしい』と書いたら、重くなる気がする。全部の選択肢が怖くて結局、何も送れなかった」

宮下さんが先輩から連絡を受け取ったのは、3日後だった。「元気?」という一言だった。

「それを見たとき、泣きそうになった。でも返信は、『元気だよ、そっちは?』しか書けなかった。そこからまた普通の会話になって結局、あの夜の話は、二人の間で永遠にされないままになった」


「事後の沈黙は、拒絶ではなく自己防衛である」

取材を通じて、一貫して浮かんできた構造がある。

体の関係を持った後に女性が連絡しない理由を、男性は往々にして「後悔」か「興味喪失」か「試し」のいずれかとして読もうとする。でも実際に女性側の話を聞くと、その沈黙の根っこにあるのは、そのどれでもないことが多い。

それは、傷つく前に止まろうとする、自己防衛の反応だ。

体の関係を持つことで、女性は感情的に非常に脆弱な状態に入る。その場所から相手にコンタクトを取ることは、自分の感情を完全に露出することを意味する。もし相手の反応が冷たかったら、もし「深い意味はない」というトーンだったらそのダメージは、接触する前より何倍も大きくなる。

だから連絡しない。

正確には、連絡できない。傷つくことへの恐怖が、指を止める。その沈黙は「あなたに興味がない」のサインではなく、「あなたに傷つけられることが、今の私には耐えられない」という、逆説的な感情の証拠だったりする。

宮下さんの言葉をそのまま借りるなら「全部の選択肢が怖くて、動けなかった」。


当事者女性たちの告白なぜ連絡しなかったのか

次に話を聞いたのは、川崎在住の東さん(仮名・33歳・会社員)。体の関係を持った後に連絡しなかった経験が、過去に2回ある。

待ち合わせた川崎駅近くのカフェに、少し遅れて来た。「ごめんなさい、電車が」と言ってから、「違う、ぼんやりしてて乗り過ごしました」と訂正した。そういう正直さが、話していてずっと伝わってきた。

「1回目は25歳のとき。付き合う前の、好意はあるけど関係は曖昧、という段階の男性と。その人から誘われて、断れなかった。正確には断りたかったわけじゃない。でも、したいと積極的に思ってたわけでもなかった。なんか、流れで」

「翌朝、その人は優しかったんですよ。ご飯を食べてから帰りなよって言ってくれて、駅まで送ってくれて。でも別れてから、電車に乗った瞬間になんか、終わった気がして。正確に言うと、何かが始まる前に終わった感じ。この人とはもう、普通には戻れないな、って。その感覚が怖くて、連絡できなかった」

「2回目は31歳のとき。相手は好きな人だった。でも体の関係を持ってから、急に怖くなった。この人が私をどう思ってるか、はっきりわかってしまうのが怖くて。わからないままのほうが、まだ可能性があるから。そういう、みっともない計算があった」

みっともない、と言った後で、東さんは少しだけ笑った。

「今振り返ると、ほんとにそれって相手に失礼な話で。でも当時は、必死だった。傷つきたくなくて」


男性側が語る「あの沈黙の意味、ずっとわからなかった」

男性側にも話を聞いた。

都内在住の木村さん(仮名・31歳・営業職)は、体の関係を持った後に女性から連絡が来なかった経験を3回持つ。

待ち合わせた新宿のバーで、最初から少し苦い顔をしていた。「この話、今でもちょっと引っかかってるんで」と言ってから、ビールを一口飲んだ。

「29歳のとき、マッチングアプリで会って3回目のデートで体の関係になった子がいて。その子は、すごく楽しそうで、帰り際も笑ってて、またご飯行こうって言ってくれてた。だから翌日、LINEしたんですよ。昨日ありがとう、また会いたい、って。既読がついて返信が来たのは5時間後で、内容は一行半だった」

「『昨日は楽しかったよ、また今度ね』。今度ね、って言葉が、全部だった。そこから誘っても既読スルーが増えて、1ヶ月後に自然消滅した」

「何がまずかったのか、2年間考えた。本当に考えた。急ぎすぎたのか、何か言い方がダメだったのか、体の相性が悪かったのか。でも答えが出なくて今この取材で初めて聞けるかもしれないと思って来た」

もう一人、埼玉在住の中島さん(仮名・35歳・エンジニア)は、少し違う経験を語った。

「俺の場合は、好きな子と体の関係を持って、翌日から急によそよそしくなられた。普通に連絡はくるんだけど、なんか、距離が開いた感じがして。あの夜より前の距離感に、戻れなくなってた」

「最終的に聞いたんですよ、何かした?って。そしたら、してないよ、って言われた。でもどう考えても、前と後で違う。あの距離感の変化が何だったのか、聞いても教えてもらえないまま、関係が終わった。それが一番しんどかった。説明してもらえないまま終わることが」


連絡しない女性が、本当は何を待っていたか

三人目の取材は、京都からオンラインで話してくれた藤井さん(仮名・36歳・フリーランスライター)。体の関係を持った後に連絡しなかった経験を、今では少し客観的に語れると言った。

「あのとき私が待ってたのは向こうから来ることだったと思う。でも、そう気づいたのはずっと後で」

藤井さんは29歳のとき、付き合うか付き合わないかわからない状態の男性と体の関係を持った。翌朝、何も言えないまま帰った。

「帰りの電車の中で、スマホをずっと握ってた。でも開けなかった。なんで開けなかったかというと自分から連絡した瞬間に、私の立場が決まる気がして。こっちが好きで、向こうはどうかわからない、その宙吊りが、連絡することで終わってしまう気がして」

「あの人が先に連絡してきてくれたら、全部違ったと思う。あなたのことが好きだ、とか、昨日のことが嬉しかった、とか、そういう言葉が向こうから来たら私も言えた。でも向こうも連絡してこなくて、私も連絡しなくて、5日後に普通のLINEが来て、そのまま自然に戻って、そのまま終わった」

「今思うと、二人とも同じことをしてたんですよね。傷つきたくなくて、先に動けなくて、待ってた。でもそれは互いに知らない。だから何も動かない。あの沈黙は、二人の臆病さが作り出した、静かな膠着だったんだと思う」


体の関係の後に、関係が深まった例・壊れた例

木村さんは、3回あった経験のうち1回だけ、体の関係の後に交際に発展した話をしてくれた。

「その子の場合、翌朝に俺が『昨日のこと、俺はすごく嬉しかった。ちゃんと付き合いたいと思ってる』って、ちゃんと言えたんですよ。怖かったけど、言えた。そしたら彼女が泣いて怖かった、って言って。怖かったって何が、って聞いたら、遊びだと思われたら嫌だったって」

「あの瞬間に、ああ、お互い同じことを怖がってたんだ、ってわかった。俺が先に言えたのは、その子のことが本当に好きだったから、だと思う。失うのが嫌だったから。あの怖さを超えられたのは、失う怖さのほうが大きかったから」

宮下さんは、先輩との関係がその後どうなったかを教えてくれた。

「結局、何も始まらなかった。あの夜から半年後に、先輩に彼女ができたって聞いて。そのとき初めて、ああ終わったんだ、って思った。終わったというか始まる前に、終わってたんだけど」

今でも思う。あの朝、何か一言でも言えてたら、どうなってたんだろうって。でも言えなかった私は、怖かったんじゃなくて傷つく覚悟がなかっただけだったのかもしれない。覚悟がある人だけが、一歩踏み出せる。あの頃の私には、それがなかった。

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この記事を書いた人

ノンフィクション・リアルドキュメント編集部
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