MENU

恋愛で振り回される状態から抜け出せなかった日々―相手の機嫌で一日が決まっていた私へ

  • URLをコピーしました!

返信が来ない。それだけで、一日が暗くなった。

既読がつくだけで安心して、そっけない一言で夜眠れなくなる。友達との約束をキャンセルして駆けつけて、当日そっけなくされて、家で一人で泣いた。

好きだから仕方ない。そう思いながら、自分の感情のコントロール権を、完全に相手に渡していた。

恋愛で振り回された人たちに話を聞いた。彼らが取り戻すべきだったのは、相手の愛情ではなく、自分の軸だった。

目次

友達との約束をキャンセルして駆けつけた日―スマホばかり見ている彼の隣で

吉祥寺のカフェ。休日の午後、美咲は半年間の恋愛を振り返った。29歳、会社員。

「職場で出会った彼に夢中になって。最初は優しくて、毎日連絡くれて、デートではいつも笑顔で迎えてくれて」

でも3ヶ月経つと、急に連絡が減り始めた。

「忙しいって一言だけ返ってくる日が増えて。心配してメッセージ送ったら、重いよって返されて。私が悪かったのかなって自分を責めて、彼の機嫌を取るために予定を全部合わせるようになって」

ある日、彼が急に週末誘ってきた。美咲は友達との約束をキャンセルして駆けつけた。

「でも当日はそっけなくて、途中からスマホばかり見てて。胸が苦しくて、家に帰ってから一人で泣きました」

美咲は毎日のように不安で眠れなくなった。

「心が彼に握られてるような感覚で。自分の人生が彼中心になって、友達とも疎遠になって。結局半年後に、ごめん合わないって言われて終わったんですけど」

美咲はその後も1年近く立ち直れなかった。

「もう少し優しくしてくれればって未練が残って。でも今思うと、私は彼を好きだったんじゃなくて、彼に認められることに依存してたんですよね。彼の機嫌が、私の価値を決めてた」

相手の機嫌で自分の価値を測る構造

振り回される恋愛の核心は、自分の価値を相手の態度で測ってしまうことだ。優しくされれば価値がある、冷たくされれば価値がない。その測り方を続けると、相手の機嫌が自分の一日を、そして人生を支配するようになる。

美咲の友人、彩花は27歳。彼女も同じ構造に陥った。

「返信が遅いだけで不安になって、会える日が決まるとテンション上がって、予定が変わると一日中落ち込んで。完全に相手の態度に一喜一憂してた」

彩花は気づくのに時間がかかった。

「自分の感情なのに、自分でコントロールできない。相手に預けちゃってたんですよ、感情の主導権を。それが振り回されるってことの正体だった」

朝から夜まで甘えてきた翌日、3日間の既読スルー

渋谷のカフェ。平日の夜、浩太は1年半続けた関係を語った。33歳、会社員。

「合コンで知り合った女性で、明るくて魅力的だったんですけど、連絡のペースが激しく変わる人で」

ある時は朝から夜まで長文のメッセージが来て、ずっと考えてると甘えてくる。次の日は既読スルーが3日続く。

「心配になって大丈夫?って聞くと、ちょっと疲れてるだけって軽く流されて。デートでは楽しくて手を繋いでくれるのに、別れた直後に今日はちょっと距離置きたいかもって突然言われて」

浩太は夜通し考えた。俺のどこが悪かったんだと。

「仕事中も集中できなくなって。彼女の気分次第で、俺の一日が決まる状態で。依存してる自分に気づきながらも、離れられなくて」

浩太は1年半、その関係を続けた。

「後で分かったのは、彼女自身も過去の恋愛で傷ついてて、無意識に相手を試してたのかもしれないってこと。でも俺にとっては、ただ振り回されるだけの時間で」

浩太は続けた。

「優しい時と冷たい時の落差が、逆に離れられなくさせるんですよ。冷たくされた後の優しさが、倍嬉しく感じて。今思えば、その仕組みにハマってただけだった」

落差が生む依存の仕組み

優しさと冷たさを交互に受けると、人は離れられなくなる。冷たくされた後の優しさが、通常の何倍も嬉しく感じるからだ。その落差の仕組みが、依存を深めていく。安定した優しさより、不安定な落差の方が、心を強く縛る。

浩太の友人、隆は30歳。彼も同じ仕組みにハマった。

「冷たくされると、次に優しくされたくて頑張っちゃうんですよ。で、優しくされると、報われた気がして。そのループから抜けられなかった」

隆は続けた。

「安定して優しい人と付き合った時、最初物足りなく感じたんです。落差がないから。でもそれって、依存の後遺症だったんですよね。穏やかさを退屈と勘違いしてた」

「それ、恋愛じゃなくて依存だよ」と言われても聞けなかった

新宿のバー。金曜の夜、遥は大学時代の恋愛を語った。27歳、会社員。

「サークルの後輩に惹かれて。最初は積極的にアプローチしてくれて、毎日会ってくれたんです」

でも付き合ってからは、彼の都合が最優先になった。

「私が映画誘うと、ごめん友達と予定入っちゃったって断られるのに、彼から急な誘いが来ると喜んで合わせちゃって」

遥は彼の一言で天国にも地獄にも落ちた。

「褒められると一日中浮かれて、ちょっと冷たい態度を取られると嫌われたかもって落ち込んで。SNSを何度もチェックして、既読がつくだけで安心して」

友達からは、それ恋愛じゃなくて依存だよと言われた。

「でも当時は聞く耳を持てなかったんです。好きなんだから当然だって。依存って言葉が、自分に当てはまると認めたくなかった」

遥は彼が他の女性と親しくしているのを見て、自分から距離を置いた。

「心に大きな傷が残りました。でもあの友達の言葉、今なら分かるんです。自分の感情のコントロール権を、完全に彼に渡してた。それは恋愛じゃなくて、依存だった」

依存と恋愛の区別がつかない渦中

渦中にいる時、依存と恋愛の区別はつかない。好きだから不安になる、好きだから合わせる。全部が恋愛の名のもとに正当化される。友人の指摘も届かない。区別がつくのは、たいてい関係が終わった後だ。

遥の友人、奈々は26歳。彼女は渦中で気づけた数少ない例だ。

「友達に依存だよって言われた時、最初は反発したんです。でもある夜、彼の既読を待ちながら3時間スマホを見続けてる自分に気づいて」

奈々はその瞬間、怖くなった。

「私、何してるんだろうって。彼のことを考えてる時間が、自分のことを考えてる時間より圧倒的に長くて。それで初めて、これおかしいって思えた」

「自分軸」を取り戻すまでにやったこと

吉祥寺の定食屋。夕方、美咲はその後の変化を語った。

「立ち直るのに1年かかったんですけど、その過程で気づいたことがあって」

美咲は自分の予定を優先する練習から始めた。

「友達との時間、趣味の時間を、恋愛より先にスケジュールに入れるようにして。彼氏ができても、その予定は崩さないって決めて」

美咲は不安になった時の対処も変えた。

「返信が来なくて不安になったら、これは私の問題じゃないって自分に言い聞かせるんです。相手の事情であって、私の価値の問題じゃないって」

美咲は恋愛の割合も変えた。

「恋愛は人生のすべてじゃなくて、50%くらいに留めておく。そうすると心が軽くなるんですよ。残りの50%で自分の人生を生きてると、相手に振り回されにくくなって」

美咲は今、新しい関係を築いている。

「今の彼は、安心感をくれる人で。前だったら、刺激がないって思ったかもしれない。でも振り回される刺激より、尊重し合える穏やかさの方が、ずっと幸せだって今は分かる」

自分軸を持つことが変える関係の質

自分の予定を優先する。趣味や友達との時間を大切にする。相手を特別扱いしすぎない。それらの積み重ねが、自分軸を作る。自分軸があると、相手の機嫌に一日を支配されなくなる。そして不思議なことに、自分軸を持つ人のところには、尊重してくれる相手が集まってくる。

美咲の友人、彩も同じ変化を経験した。

「振り回される関係って、最初は刺激的なんですよ。でも結局、自分を消耗させるだけで。安心感を与えてくれる人を選べるようになったら、恋愛が穏やかで幸せなものに変わった」

彩は続けた。

「過去の自分に言いたいのは、その不安は愛じゃないよってこと。不安で頭がいっぱいになる関係は、どこかが壊れてる。安心できる関係こそが、本物なんだって」

恋愛で振り回される状態は、相手の問題だけではない。自分の感情の主導権を、相手に渡してしまっていることが核心だ。

美咲は最後にこう言った。

「相手の機嫌で一日が決まる状態は、健全な恋愛じゃなかった。自分軸を取り戻して初めて、対等な関係が築けるようになったんです。振り回されてた頃の私は、彼を愛してたんじゃなくて、彼に認められたい自分に振り回されてた。それに気づくのに、1年かかりました」

彼女はコーヒーを飲み干し、席を立った。外は穏やかな夕暮れだった。スマホは鞄の中にある。返信を待つ時間より、自分の時間を生きている。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ちょいエロからまじめな恋愛まで、街頭で聞いた本音、匿名で寄せられた告白、実際に会ってインタビューした当事者の生の声だけ。

当サイト運営 YouTubeチャンネル
ノンフィクション・リアルドキュメント
https://www.youtube.com/@non-fictionrealdocumentjap3035
チャンネル登録者数 1.31万人


街頭インタビュー
匿名体験談の募集・取材
当事者への直接インタビュー
読者投稿の検証と公開

取材協力や体験談の投稿は、ブログのお問い合わせフォームからお待ちしています。

目次