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家デートばかりで別れた「家でいいじゃん」の積み重ねが奪っていったもの

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今度、映画館に行こう。

そう提案しても、返ってくるのはいつも同じ言葉だった。家でいいじゃん。

最初は甘い雰囲気を楽しんでいた。でも気づけば、私って家政婦みたいと思うようになっていた。クリスマスも家。誕生日も家。思い出は全部、同じ部屋の中にあった。

家デートばかりで別れた人たちに話を聞いた。彼らが失っていたのは、外出の機会だけではなかった。

目次

「私って家政婦みたい?」と思い始めた半年目

吉祥寺のカフェ。休日の午後、彩花は半年で終わった恋を語った。28歳、会社員。

「彼の家で映画を見たり、料理を作ったりするデートがほとんどで。外は疲れるから家がいいって言うので、最初は甘い雰囲気を楽しんでたんです」

でも徐々に、違和感が積もった。

「私って家政婦みたい?って思うようになって。週末に今度映画館行こうって提案しても、家でいいじゃんって返されて。結局、半年で外出は2回だけでした」

クリスマスも家で過ごすことになった。

「プレゼントを渡したのに、ありがとうって素っ気ない反応で。寂しさが募って、もっと一緒に外で過ごしたいって伝えたら、そんなに無理に変わらなくていいよって言われて」

彩花は別れを告げた。

「後で思うと、彼にとって私は都合のいい在宅パートナーだったのかもしれません。料理を作ってくれて、家にいてくれる人。私という人間と外の世界を歩きたいっていう気持ちが、彼にはなかった」

彩花は続けた。

「別れた後、久しぶりに友達と出かけて、心が軽くなったんです。ああ、私こんなに外が好きだったんだって。彼に合わせて、自分の好きなことを忘れてた」

家デートが映す本気度の問題

家デートそのものが悪いわけではない。問題は、相手の希望を聞かずに家だけが続くことだ。外に連れて行きたい、一緒に思い出を作りたいという気持ちの欠如は、関係への本気度を映してしまう。

彩花の友人、美咲は26歳。彼女はもっと曖昧な関係に悩んだ。

「マッチングアプリで知り合った彼と、初デートから家デート中心で。人目が気になるからって言い訳されて、外食すらほとんどなくて」

家でゲームや飲みを繰り返す日々が続いた。

「半年でこの関係何?って聞いたら、曖昧な返事で。友達に相談したら、本命じゃないかもって言われて。勇気を出して別れました。もっと普通のカップルみたいなことがしたかったんです」

共通の思い出がないことに気づいた1年目

渋谷のカフェ。平日の夜、健太は1年続いた関係の空虚さを語った。32歳、会社員。

「彼女が俺の家に来るのを好んで、外デートを嫌がるタイプで。仕事が忙しいって平日は家で一緒にご飯を食べて、休日も天気悪いし家でいいよねって」

最初は楽でいいなと思っていた。

「でも1年経つ頃には、会話もマンネリ化して。旅行の話を出しても、家でゆっくりしたいって却下されて。ふと気づいたんです。共通の思い出らしいものが、ほとんどないって」

ある日、彼女が最近刺激がないとぼやいた。

「じゃあ外行こうって誘ったんですけど、結局家に戻って同じ繰り返しで。俺の気持ちが離れていって、別れを切り出しました」

別れた後、健太はショックな事実を知った。

「彼女のSNSを見たら、友達とは普通に外出してる写真が並んでて。俺とだけ、家だったんです。家デートばかりだと、相手の本気度が分からないまま関係が終わるんだなって」

健太は続けた。

「思い出って、関係の貯金なんですよ。喧嘩した時、マンネリの時、あの時楽しかったなって思い出が関係を支える。家の中だけの記憶って、全部似てて、貯金にならなかった」

思い出という関係の貯金

外での体験は、関係の貯金になる。旅行、イベント、初めて行った場所。その記憶が、関係が揺らいだ時の支えになる。家の中だけの日々は、どれも似ていて、振り返った時に何も残っていない。共有する体験の少なさが、関係の深まりを止める。

健太の友人、隆は34歳。彼は結婚を考えて疑問を持った。

「同棲に近い形で彼女の家ばかり通ってて。外に出るのは近所のコンビニくらい。旅行やイベントは全部却下で」

1年半経って、隆は考えた。

「このまま結婚してもいいのかって。彼女も最近つまらないって漏らすようになって、自然と距離ができて別れました。共有する体験が少ないと、将来のビジョンが見えにくくなるんですよ」

隆は今、変わった。

「別れてから積極的に外で会う女性と付き合うようになって、関係が長続きする実感があります。一緒に何かを体験することが、絆を作るんだなって」

メイクして待っていたのに「家でいいよ」と言われた日々

新宿のバー。金曜の夜、奈々は積もった嫌気を語った。26歳、会社員。

「彼氏の家で過ごすデートが続いて、外出デートの提案はいつもめんどくさいで終わりで」

奈々はそれでも期待した。

「メイクして待ってたんですよ、毎回。今日こそ外に行けるかなって。でも家でいいよって言われて、結局16時過ぎに家を出ることもあって」

半年で嫌気がさした。

「もっと外で楽しみたいって伝えたら喧嘩になって、別れました。家デートばかりだと、相手の生活圏以外が見えないんです。外でどんな顔をするのか、どんな振る舞いをするのか、知らないまま付き合ってた」

奈々は続けた。

「メイクして待ってた時間が、一番虚しかったです。彼に見せるために準備したのに、家の中でだらだら過ごすだけ。私の努力が、行き場をなくしてた」

奈々は今、外出好きの人と付き合っている。

「毎週違う場所に行くのが楽しくて。外での彼を見ると、新しい発見があるんです。店員さんへの態度とか、道に迷った時の反応とか。家の中だけじゃ、絶対に見えなかった部分で」

外で見える相手の素顔

外でのデートは、相手の新しい面を見せてくれる。店員への態度、トラブル時の対応、初めての場所での振る舞い。家の中だけでは見えない素顔が、外には溢れている。それを知らないまま関係を深めることは、相手の一部しか知らないまま付き合うことだ。

奈々の友人、拓也は25歳。大学時代の彼も同じだった。

「彼女の家ばかり行ってて、1年近く外デートゼロで。卒業旅行の話も家でいいって。彼女の変化のない日常に疲れて、別れました」

拓也は振り返る。

「家デートは親密なんですけど、刺激が足りないと関係が停滞するんですよ。今はアクティブな人と付き合ってて、その違いを実感してます」

「今はそれでいい」と言われ続けた再婚活

吉祥寺の定食屋。夕方、由美は本命かどうか分からなかった関係を語った。33歳、会社員。

「再婚を考えていた相手だったんですけど、家デート中心で家族紹介もなくて。土日は会えず、平日夜だけ家で過ごす日々で」

由美には子どもがいる。

「普通のデートがしたいって訴えたんです。でも、今はそれでいいって言われて。結局別れました」

由美は気づいたことがある。

「家デートは気軽なんですけど、相手を本命と思ってる証拠が少ないと、不安が残るんですよ。外を一緒に歩く、家族に紹介する、土日を一緒に過ごす。そういう行動が、本気の証明になるのに、全部なかった」

由美は別れて数ヶ月後、新しいパートナーと旅行に行った。

「違いを実感しました。一緒に外の世界を歩いてくれる人の安心感って、家の中の心地よさとは別物なんです」

行動が示す本命の証

口で好きと言うことと、行動で示すことは違う。外でデートする、家族に紹介する、休日を一緒に過ごす。そうした行動の積み重ねが、本命であることの証明になる。家の中だけの関係は、その証明をすべて避けている状態かもしれない。

由美の知人、翔太は29歳。彼は彼女の努力のなさに冷めた。

「家デートばかりの彼女で、最初は癒やし系で良かったんですけど。徐々に外に出たくない病みたいになって、友達との集まりにも付き合わず、俺の誕生日も家でお祝いだけで」

翔太は気持ちが冷めて別れを告げた。

「別れた後、彼女からもっと家で一緒にいたかったって連絡があったんですけど。思い出が家の中だけだと、後悔も薄いんだなって感じました。失ったものが、よく分からないから」

バランスを取り戻したカップルとの違い

恵比寿のカフェ。休日の午後、何人かが家デートと関係の長続きについて語り合っていた。

「家デートばかりで会話が尽きて、ただスマホを見る時間が多くなって自然消滅した経験があって」

そう言ったのは、30歳の女性だ。

「別れて気づいたんです、外出の大切さに。外の刺激があるから、家の安らぎが活きるんですよ」

隣の男性も頷いた。

「逆に彼が家に呼んでくれず、ホテルばかりだったケースも聞きます。家ばかりも寂しいし、家に入れてもらえないのも寂しい。どちらもバランスが大事で」

別の女性が続けた。

「家飲み中心で彼が友達を呼ぶようになって、自分が家事担当みたいになって離れた人もいて。家デートが当たり前になると、役割が固定されちゃうんですよね」

彼らに共通していたのは、家デートを楽しみつつ外出も取り入れるバランスの大切さだった。

「最初は心地よくても、相手と外の世界を共有しないと、心の距離が開きやすくなる。時々、今日は外に行こうって一歩踏み出す勇気が、関係を深めるんだと思います」

家デートばかりの関係は、気楽さの裏に本気度の薄さやマンネリが潜んでいることが多い。

彩花は最後にこう言った。

「家デートが悪いんじゃないんです。私の、外に行きたいっていう気持ちを、聞いてもらえなかったことが問題で。もっと外出を提案すればよかったとも思うけど、提案しても変わらない人だったから。相手の希望を聞きすぎて、自分の希望を言えなくなってた。それが一番の反省です」

彼女はコーヒーを飲み干し、席を立った。外は穏やかな夕暮れだった。今日はこれから、友達と夜の街を歩く。外の世界を一緒に楽しめる人と、これからの思い出を作っていく。

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