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告白を保留にされたら、どうでもよくなったのは心変わりじゃなくて、自分を守るためだった

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勇気を出して告白したのに、保留にされた。最初は、いい返事を期待して待っていたのに、日が経つにつれて、なぜか気持ちが、しぼんでいく。あんなに好きだったのに、どうでもよくなってきた自分に、戸惑っている。

最初に会ったアヤカさんは、二十四歳の会社員です。職場の上司に、思い切って告白した経験があります。

「保留にさせて、って言われたんです。その瞬間は、まだ望みがあるかも、って、期待してました。でも」

そこで、彼女は、少し不思議そうな顔をしました。

目次

あんなに好きだったのに、なぜ冷めたのか

一週間で、興味が薄れていった

保留の返事から、彼女の気持ちは、思いがけない方向に、動いていきました。

「一週間経っても、何も進展がなくて。そしたら、だんだん、あの人への興味が、薄れていったんです。自分でも、びっくりするくらい、すーっと。あんなに、毎日その人のことばっかり考えてたのに、気づいたら、どうでもよくなってて」

告白する前の、あの熱は、どこへ行ってしまったのか。

「わからないんです。嫌いになったわけじゃない。怒ってるわけでもない。ただ、醒めた、っていう感じで。失恋の、悲しい、つらい、とも、また違うんですよ。もっと、静かに、気持ちが引いていく感じで」

冷めた自分に、罪悪感を持った

そして、彼女を悩ませたのは、その冷めた自分への、罪悪感でした。

「こんなにあっさり冷めるなら、私の告白って、何だったんだろう、って。そんなに本気じゃなかったのかな、軽い気持ちだったのかな、って、自分を責めました。あれだけ勇気を出したのに、たった一週間で、どうでもよくなる自分が、薄情な人間みたいで、嫌で」

この、冷めた自分を責める気持ちは、多くの人が、抱えていました。でも、その冷めには、ちゃんとした理由が、あったんです。

「どうでもよくなる」は、自分を守る反応だった

告白は、気持ちを丸ごと明け渡すこと

まず、告白という行為が、何なのかを、考えてみたいと思います。

告白は、自分の気持ちを、相手に、丸ごと明け渡す行為です。私はあなたが好きです、と、自分のいちばん柔らかい部分を、差し出して、相手の返事に、身を委ねる。これは、すごく、無防備な状態なんです。相手が、イエスと言えば、報われる。ノーと言えば、傷つく。どちらにしても、返事が、来る前提で、心を差し出している。

ところが、保留というのは、その、イエスでもノーでもない、返事の来ない状態を、引き延ばすことです。差し出した心が、宙に浮いたまま、放置される。

宙吊りの不安から、自分で先に降りる

告白して、保留にされると、あなたは、宙吊りにされます。イエスでもノーでもない、いつ落とされるかわからない、不安な場所に、ずっと、置かれる。

人の心は、この宙吊りの不安に、長くは、耐えられないんです。だから、自分を守るために、明け渡した気持ちを、そっと、自分のほうに、引き上げ始める。どうでもよくなる、というのは、傷つけられる前に、自分で先に、降りることなんです。

冷めたのではなく、これ以上、宙吊りにされて傷つくのを避けるために、心が、勝手に、撤退している。アヤカさんに、この話をすると、彼女は、深くうなずきました。

「そうか、私、自分を守ってたんですね。宙ぶらりんのまま、いつ振られるかわからない状態が、しんどくて。だから、心が勝手に、この人のこと、もういいや、って、避難させてたのかも。そう思ったら、少し、楽になりました」

どうでもよくなるのは、あなたの心が、あなたを、守ろうとしているサインなんです。だから、罪悪感を、持たなくていい。

恋の熱は、相手との応答で燃えていた

連絡が途絶えたら、熱源が消えた

もう一つ、この現象は、恋愛感情の、意外な正体を、教えてくれます。それを、はっきり感じたのが、ケンタさんでした。二十八歳の営業職。マッチングアプリで知り合った女性に告白して、保留にされた人です。

「保留にされて、数日したら、相手からの連絡が、減っていったんです。そしたら、自分の中の熱も、それに合わせるみたいに、すーっと引いていって」

彼の言葉は、恋の熱の仕組みを、突いていました。

「気づいたんですよ。俺、あの子のことが好き、っていうより、あの子とやりとりしてる時間の、ドキドキが、好きだったんだなって。次いつ返信来るかな、とか、今度どこ誘おうかな、とか。そういう、相手との、やりとりの中で、燃えてたんです。だから、連絡が途絶えたら、燃やすものが、なくなっちゃって」

告白する前の、好きで好きでたまらない気持ち。あれは、相手そのものへの気持ちだけでなく、かなりの部分が、この関係がどうなるんだろう、という期待や、追いかける高揚で、燃えています。だから、応答が途絶えると、その燃料が、供給されなくなる。火は、自然に、小さくなっていくんです。

応答がなくても燃える恋は、執着かもしれない

つまり、告白後に冷めるのは、あなたの愛が、もともと浅かったからでは、ないんです。恋の熱の、相当な部分が、相手とのやりとりや、応答の中で、燃えていたから。応答が途絶えれば、熱源が消える。それは、ごく自然なことなんです。

むしろ、と、私は思います。相手からの応答が、何もなくても、燃え続ける恋のほうが、珍しい。そして、それは時に、恋というより、執着に、近いのかもしれません。相手が、何も返してくれないのに、一人で燃え続けるのは、相手を愛しているというより、自分の中の、理想の相手を、愛している状態に、近いからです。保留で冷める、健全な心は、応答のない相手から、ちゃんと、離れられる心でもあるんです。

保留の意味と、待つことの逆効果

待つほど、冷めていった

最後に会ったワタルさんは、三十歳。元カノに、復縁を告白して、保留にされた人です。彼は、待つ、という選択を、しました。

「相手を急かしちゃいけないと思って、あえて、積極的に連絡を取らずに、待ったんです。相手の答えを、尊重しようと思って」

でも、その結果は、皮肉なものでした。

「待ってるうちに、相手の興味も、薄れていって。そして、待ってる僕自身も、だんだん、冷めていったんです。連絡を取らないぶん、応答もないから、さっきの話じゃないですけど、熱を燃やすものが、何もなくて。気づいたら、お互い、どうでもよくなってました」

ここに、保留の、大事な真実があります。保留は、多くの場合、相手の迷いか、優先度の低さを、表しています。そして、真剣に迷っている相手なら、たいてい、待たせているあなたを、気にかけ続ける。連絡が、途絶えない。逆に、保留のあとで、連絡が減っていくなら、それは、たいてい、フェードアウトの、入り口なんです。ワタルさんが言いました。

「保留にされて、相手からの連絡が減ったら、それは、もう、答えが出てるんですよ。待っても、たぶん、変わらない。待つほど、お互い冷めるだけで」

冷めることは、あなたの心の、正直な返事

告白を保留にされて、どうでもよくなる。それは、心変わりでも、薄情でもなく、あなたの心が自分を守り、恋の熱の燃料が切れた、自然な結果です。だから、冷めた自分を、責める必要はありません。

そして、この現象は、あなたに、一つのことを、教えてくれています。あなたが本当に必要としているのは、あなたを宙吊りにしない人、あなたの気持ちに、ちゃんと応えてくれる人だ、ということ。保留にする人は、たとえ最終的にイエスと言っても、あなたを、宙吊りにできる人です。あなたの気持ちを、待たせておける人。それに対して、あなたの心は、すでに、静かに、ノーを出している。どうでもよくなった、というのは、あなたの心が、この人は、違うかもしれないよ、と、教えてくれているサインなのかもしれません。

ただ、正直に言えば、時々、その冷めが、来なければよかった、と思う相手も、いるのだと思います。本当に、ただ真剣に迷っていただけで、あと少し待てば、応えてくれたかもしれない人。冷めるのが早すぎて、可能性を、自分で閉じてしまったのかも、と、後から思うことも、あるかもしれません。

でも、それも、含めて。宙吊りに耐えられなかった自分を、責めるよりも、そういう自分を、守ってくれた心に、任せてしまうほうが、たぶん、ずっと、楽に生きられます。冷めることは、失敗ではなく、あなたの心の、いちばん正直な返事なんです。その返事を、信じてあげて、いいのだと思います。

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