MENU

初対面のドライブに女性から誘われて、どう感じたか。六人の話は嬉しさと警戒に割れた

  • URLをコピーしました!

会ったこともない相手から、駅まで迎えに行くね、と言われる。

言われた側の反応は、二つに割れる。ありがたいと思う人と、密室になるまでの時間を想像してしまう人。誘った側の女性は、たいてい後者を想定していない。

誘われた男性三人と、車を出した女性二人、それに逆の立場から一人。

目次

変なことしたらパンチするからね、と言われた

大船の、駅前のチェーン店。夕方で、部活帰りの高校生が多い。しょうたさん、三十一歳。彼は思い出しながら笑っていた。

アプリで知り合った人でした。メッセージは二週間くらい続いてて、まだ会ってない段階です。

そこで、駅まで迎えに行くよ、そのあと少しドライブでもどう、って来て。

驚きました。会ってもいないので。え、いいのか、と。

冗談が一つ入っただけで、空気が変わった

そのあとに、変なことしたらパンチするからね、って続いてたんですよ。

あれで一気に楽になりました。

彼はここを詳しく説明した。

初対面で車って、お互いに緊張するんですよね。向こうも怖いはずなんです、知らない男を乗せるので。それを、あの一言で先に笑いに変えてくれた。

こっちが気を遣う場所を、先に片付けてくれた感じでした。何もしませんよ、って俺が言うのは変じゃないですか。言った時点で怪しいので。だから、向こうから軽く触れてくれるのがいちばんよかった。

一時間くらい走って、趣味の話で盛り上がったという。

後で聞いたら、人混みが苦手で、二人きりでゆっくり話したかったらしいです。カフェだと周りが気になるって。

その後も関係は続いたという。

車の中は、向き合わなくて済む場所らしい

みなこさん、三十三歳。彼女は車を出した側だ。友人の紹介で知り合った男性を誘った。

新しい車を買ったばかりで、単純に乗りたかったんです。ちょっと乗ってみない、って軽い感じで誘いました。

共通の知人がいたので、向こうも警戒しなかったんだと思います。

海沿いをゆっくり走ったという。

沈黙が気まずくならない

車って、いいんですよ。真正面で向き合わなくて済むので。

カフェで初対面って、けっこうきついじゃないですか。目の前に人がいて、目を合わせるしかない。沈黙が来たら、その沈黙を二人で見つめることになる。

車だと、二人とも前を向いてるので。黙っても、外を見てればいい。あと、景色が変わるので、話のネタが勝手に出てくる。あ、あの店できたんだ、とか。

彼女はここが大きいと思う、と続けた。

私、初対面が苦手なんですけど、車だと喋れるんです。だから提案してるのは、積極性というより、自分が楽な場所を選んでるだけなんですよ。

そのドライブがきっかけで、後日改めてデートすることになったという。

誘われた側が、緊張していた場合

ここまでは、うまくいった話だ。ただ、そうならないこともある。

だいきさん、二十八歳。彼はアプリでやりとりを重ねた相手から誘われた。

初対面だけど車で迎えに行くね、って言われて。

正直、不安でした。

不安の中身を聞くと、彼は少し言いにくそうにした。

密室になる時間の長さが読めない

嫌だったわけじゃないんです。ただ、車に乗ると、自分で帰れないんですよ。

カフェなら、合わなかったら一時間で帰れる。車だと、行き先も戻る時間も向こうが握ってるので。二時間なのか五時間なのかもわからない。

あと、単純に緊張しました。知らない人と密室に二人って、こっちも怖いんです。男でも。

向こうは、抵抗はないけど、いい人だと思うから、と言ってくれたという。

その言葉自体は嬉しかったです。ただ、俺の不安とは関係のない話なので。

変更してもらったら、うまくいった

思い切って、駅前で待ち合わせして、それから短時間だけ車に乗る形にしてもらえますか、って伝えました。

すぐ、いいよ、って返ってきました。気遣いすぎてごめんね、とも言われて。

こっちが警戒してることを、責められなかったのがよかったです。

彼はここで言い方を変えた。

あの日、実際に会ってから車に乗ったら、全然平気だったんですよ。三十分話したら安心したので。

順番の問題だったんだと思います。会う前に密室が来るのがきつかった。会ってからなら大丈夫だった。

提案する側と、される側で見えているものが違う

六人の話を並べていて、はっきりしたことがある。

車を出す側は、たいてい親切のつもりでいる。移動が楽になる、話しやすい、自分の得意な場所を提供している。実際、みなこさんもそう説明していた。

誘われる側が気にしているのは、まったく別のことだ。帰る手段が自分の手にあるかどうか、時間の長さが読めるかどうか、断ったときに気を悪くされないかどうか。

つまり、提供されているものと、心配されているものが噛み合っていない。だいきさんの話でいえば、彼が求めていたのは車に乗らない選択ではなく、いつでも降りられるという感覚だった。

うまくいった二例に共通しているのは、そこに先に触れていたことだ。しょうたさんの相手は冗談で、だいきさんの相手は変更の受け入れで。どちらも、断れる余地を相手に渡している。

迎えに行くのが、いちばん合理的だった

さきこさん、二十九歳。地方在住で、彼女の場合は事情が違った。

都会から来る人と初めて会うことになって。駅から目的地まで、車がないとどうしようもない場所なんですよ。

バスが一時間に一本とかなので。私が迎えに行くよ、って言ったのは、親切というより現実的な判断です。

運転が好きなのもあります。運転しながらのほうがリラックスできるので。

移動そのものが、時間になる

一時間くらい走りました。その間、仕事の話とか、趣味の話とか。着く頃には、けっこう打ち解けてました。

移動が長いのって、こういうときは有利なんですよ。到着までにアイスブレイクが全部終わってる。

彼は、女性が車を出してくれるなんて意外だったけど助かった、と言っていたそうだ。

意外って言われるのが、こっちからすると意外なんですけどね。地方だと普通なので。

逆の立場から、断った経験

最後に、女性側で誘われて断ったケースを。ゆりさん、二十六歳。

初対面の男性から、ドライブしながら話そう、って提案されたんです。

私は無理でした。会ったこともない人の車に乗るのは怖いので。

正直に伝えました。まだ会ったばかりなので車は少し不安です、って。

断ったときの反応が、判断材料になった

そしたら、すぐに、じゃあカフェにしよう、って。一秒で切り替えてくれました。

あれで安心したんですよ。

彼女はここを強調した。

私が見てたのは、ドライブに誘ってくるかどうかじゃなくて、断ったときにどうするかでした。

食い下がられたら、その時点で終わりです。俺は大丈夫だから、とか、そんなに警戒しなくても、とか言われたら、会わないつもりでした。

会ってみたら、いい人でした。後日、改めてドライブに誘われて、そのときは行きました。

順番を守ってくれる人だったので。

しょうたさんに、最後にひとつ聞いた。あの日、もし冗談を言われていなかったらどう感じていたか。

たぶん、身構えてました、と彼は答えた。

言葉って、内容じゃないんですよね。あの人が言ったのは、変なことしたらパンチする、ですけど、伝わってきたのは、私はあなたを警戒してるけど、それを笑い話にできる程度には信用してます、ということで。

情報量がすごいんですよ、あの一言。

彼は今もその人と続いているという。ドライブはあれから何十回も行ったが、初回の一時間がいちばん記憶に残っているそうだ。

いまだにたまに言われますよ、パンチするからね、って。何もしてないのに、と彼は笑った。

店の外は、部活帰りの自転車が続けて通っていった。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ちょいエロからまじめな恋愛まで、街頭で聞いた本音、匿名で寄せられた告白、実際に会ってインタビューした当事者の生の声だけ。

当サイト運営 YouTubeチャンネル
ノンフィクション・リアルドキュメント
https://www.youtube.com/@non-fictionrealdocumentjap3035
チャンネル登録者数 1.31万人


街頭インタビュー
匿名体験談の募集・取材
当事者への直接インタビュー
読者投稿の検証と公開

取材協力や体験談の投稿は、ブログのお問い合わせフォームからお待ちしています。

目次