すごくかっこいい男性なのに、彼女は、地味だったり、普通だったりする。あれ、なんで?イケメンの彼と付き合っていて、周りから、釣り合ってない、と言われたり、SNSで、彼女可愛くない、と書かれたりして、傷ついて。今回、まさに、モテるのに、可愛くないと言われる彼女を選んだ、という男性たちと、そう言われる側の女性に、話を聞きました。すると、その、なぜ、という驚きの、正体そのものが、見えてきました。
最初に会ったケンタさんは、三十歳の会社員です。社内で、モテる、と評判の男性でした。営業成績も優秀で、女性社員から、注目を集めていた。でも、彼の彼女は、同じ会社の、普通の事務員だといいます。
「周りは、もっと可愛い子がいるのに、って、不思議がるんですよ」彼は、少し、おかしそうに、言いました。「でも、僕には、その驚きのほうが、不思議で」
「なぜあんな子」という驚きは、どこから来るのか
人は、外見は外見で釣り合うべき、と思っている
イケメンの彼女が、可愛くない。それを見て、なぜ、あんな子を、と、驚く。この驚きは、いったい、どこから、来るのでしょう。
それは、人が、無意識に、外見は、外見で、釣り合うべきだ、と、思っているからです。美しい人には、美しい人が。まるで、外見の価値が、同じレベルの者同士で、マッチングする、市場のように。だから、イケメンと、普通の彼女、という組み合わせは、不釣り合いに、見えて、なぜ、と、引っかかる。値段の高いものには、高いものが、釣り合う、という感覚を、恋愛にも、当てはめているんです。
でも、当事者は、その市場から降りている
でも、当事者の、イケメンたちが、語るのは、まったく、別のことでした。彼らが、選んでいるのは、外見の、釣り合いではなく、もっと、別の軸なんです。
「あかりは、気遣いが、細やかで、一緒にいて、安心するんです」ケンタさんは、彼女のことを、そう話しました。「見た目で、選んでないから、周りが、なんで、って言う意味が、正直、ピンとこなくて」
つまり、周囲が、驚くのは、周囲が、恋愛を、外見の、マッチング市場だと、思っているから、なんです。当事者は、その市場から、すでに、降りている。同じゲームを、していない。だから、可愛くない彼女を、選ぶイケメンは、彼女が、可愛くないことに、気づいていないのではなく、外見の価値に、他人ほど、重きを、置いていない、というだけ、なんです。それは、あなたと、彼らとの、価値観の、違いなんです。
イケメンが選んでいたのは、別の軸だった
一緒にいて落ち着く、が決め手だった
ケンタさんが、彼女に惹かれた理由を、もう少し、聞いてみました。
「仕事で、女性から、ちやほや、されることは、あるんですよ。でも、それって、表面的で、疲れるんです。あかりは、そういうのが、一切なくて。ただ、素で、接してくれる。僕の、愚痴を、聞いてくれて、失敗しても、責めない。一緒にいると、鎧を、脱げるんです」
彼にとって、大事だったのは、見た目の、華やかさではなく、その人といるときの、自分の、心の状態でした。
「外見が、可愛い子と、付き合ったことも、あります。でも、なんか、気を、張っちゃって。長続き、しなかった。あかりといると、そういう、緊張が、ないんですよ。だから、この人だ、って、思いました」
彼が見ていたのは、彼女の、顔ではなく、彼女といるときの、自分の、楽さでした。それは、外見の市場では、値段のつかない、価値だったんです。
外見は減価償却し、居心地は複利で増える
どんな美しさも、慣れれば当たり前になる
なぜ、イケメンが、外見より、内面を選ぶのか。その、いちばん深いところに、あるものを、考えてみます。よく、イケメンだからこそ、外見に、飽きて、内面を選べる、と、言われます。それも、一面では、そうかもしれない。でも、もっと、本質的なことが、あります。
それは、外見の価値は、慣れる、ということです。どんなに、美しい人でも、毎日、一緒にいれば、その美しさは、当たり前に、なって、ドキドキは、薄れていく。人の脳は、どんな刺激にも、慣れるように、できているからです。最初は、見とれていた顔も、三ヶ月もすれば、日常の風景に、なる。残るのは、一緒に、過ごす時間の、質のほうなんです。
慣れても消えない価値を、彼らは選んでいる
三十五歳の公務員、リョウスケさんは、学生時代から、モテモテだったといいます。でも、彼の妻は、眼鏡をかけた、普通の主婦です。
「奈々とは、社会人になってから、知り合ったんです。仕事の愚痴を、聞いてくれて、支えてくれる。見た目より、信頼関係が、大事だと、思って」
彼の言葉は、外見の、面白い性質を、突いていました。
「若い頃は、可愛い、っていうだけで、付き合ったことも、あります。でも、外見って、時間が経つと、慣れちゃうんですよ。逆に、居心地の良さとか、信頼って、一緒にいるほど、どんどん、増えていく。どっちが、長続きするかって、考えたら、答えは、明らかで」
これは、こういうことです。外見は、時間とともに、価値が、目減りしていく。減価償却する。でも、居心地の良さや、信頼は、時間とともに、複利で、増えていく。長続きする関係を、見据えたとき、どちらを、選ぶのが、賢いか。イケメンたちは、それを、経験から、知っているだけ、なのかもしれません。外見の刺激が、慣れで、消えることを、知っているから、慣れても、消えないものを、選ぶんです。
「可愛くない」と言われる側の、痛みと幸せ
SNSで可愛くないと言われて
ここまでは、選ぶ側の、イケメンの話でした。でも、選ばれる側、つまり、可愛くない、と言われる彼女は、どう感じているのでしょう。ハルカさんに、話を聞きました。二十六歳。イケメンとして、注目される、インフルエンサーの、彼女です。
「彼のSNSのコメント欄に、彼女、可愛くない、とか、彼なら、もっといい人が、とか、書かれるんです」彼女は、静かに、言いました。「見なきゃいい、って、わかってるんですけど、やっぱり、見ちゃって。そのたびに、私なんかが、隣にいて、いいのかな、って、落ち込みました」
自分を、選んでくれた喜びと、周囲の視線の、間で、揺れていたといいます。
「でも、彼が、言ってくれたんです。SNSの、知らない人が、何を言おうと、俺が、可愛いと思ってるんだから、それが、正解でしょ、って。その言葉で、少し、救われました。外見で、判断される世界で、彼が、私を、選んでくれたのが、本当に、嬉しいんです」
彼が見ているあなたが、本物
ここで、いちばん、大事なことを、言いたいと思います。可愛くない、という言葉、そのものを、もう一度、問いたいんです。誰が、何を基準に、可愛くないと、決めているのでしょう。それは、他人の、狭くて、画一的な、基準に、すぎません。
イケメンの、彼にとって、彼女は、たぶん、可愛いんです。愛は、対象を、美しく、見せます。毎日、見ているうちに、その人の、笑い方、寝顔、ふとした仕草が、世界でいちばん、愛おしく、なっていく。可愛いかどうかは、客観的な、事実ではなく、見る人との、関係の中で、決まるものなんです。だから、SNSで、彼女を、可愛くないと、書く人は、ただ、彼女を、知らないだけ。彼女の、いちばん美しい瞬間を、隣で見ている、彼だけが、本当のことを、知っている。
そして、もし今、あなたが、可愛くないと言われて、傷ついている側なら、伝えたいことが、あります。あなたを、選んだ彼が、見ているあなたと、あなたを、可愛くないと言う他人が、見ているあなたは、別人です。そして、彼が、見ているあなたのほうが、本物なんです。毎日、あなたの、いちばん近くにいて、あなたの、全部を見ている人の、目のほうが、画面越しに、一瞬だけ、あなたを見た、知らない人の目より、ずっと、確かに、決まっています。
他人の、基準で、自分の価値を、測らないこと。あなたを、可愛いと、思ってくれる、たった一人の、目を、信じること。イケメンが、可愛くないと言われる彼女を、選ぶ理由は、結局のところ、外見の市場から、降りて、その、たった一人にとっての、本当の可愛さを、見つけた、ということ、なのだと思います。そして、その、たった一人に、選ばれることのほうが、大勢から、可愛いと、言われることより、ずっと、幸せなことなのだと、彼らは、知っているのだと思います。